2013年度愛知教育大学地理学会、終了(2013.6.22)

 6月22日13:00-17:30、愛知教育大学第1人文棟310教室で、「2013年度愛知教育大学地理学会」が開かれました。
 総会では、藤田佳久先生のご挨拶のあと、学会事務局から「地理学報告」が年1冊発刊体制へ移行し、カラー印刷になることが発表されました(表紙のデザインも変更されます)。

 

  研究発表では、大学院生の犬飼未菜さんと遠藤 悠君の発表がありました。犬飼さんは、グーグルアースを中学校地理教育で使うことで子どもたちの地理的認識がどの程度高められたのかについて発表しました。興味づけにとどまらない、知識や理解、技能など多面的にその成果を検証した内容でした。

 遠藤君は、「伊勢湾岸臨海地帯の自然災害の特性と防災図」について発表しました。自然地理学の発表が愛教大では最近少なかったので、とても新鮮に感じました。今後、遠藤君は自然地理学で明らかにした成果をどのようにしたら子どもたちに伝えることができるか、教育に結びつけられるかを検討していくことになります。

 

 

 その後、愛知教育大学名誉教授の阿部和俊先生のご講演がありました。 阿部先生は「人に人生、都市に都市生ーわたしはこうやって研究してきたー」という演題で、ご自身の大学生時代、パリ留学時代、大学教員時代と研究者としてのヒストリーを順を追ってご講演いただきました。ご存じのように阿部先生の楽しいお話、お人柄で、「阿部ワールド」が繰り広げられましたが、示唆に富んだことばがいくつも散りばめられていました。例えば、現役の学生たちには「勉強と研究はちがう。知識は大切だが、知恵をもっと大切に」、現職教員や研究者たちには「どんどん論文や著作を世に問わなければならない。たくさん書き上げることで、その中に優れた成果がでてくる」、「膨大な資料をいかに削るかが研究では大切である」などです。阿部先生の力強いお言葉に覚醒した思いがしました。

 

 今回の学会の参加人数は約80名でした。2〜4年生の学生が50名程度、OB・OGで30名程度でした。
 OB・OGのみなさんがもっといらっしゃって、旧交を温めて頂けたら幸いです。
 お忙しいとは思いますが、ぜひ愛教大にいらっしゃってください。お待ちしております。
                                                                                       (2013.6.23  近藤 記)

愛知教育大学地理学会 2013年度大会・総会について

以下の日時で開催されます。どうぞご参加ください。


日時:6月22日(土)

場所:愛知教育大学 第一共通棟 310教室


 13:00〜:総会

 

 13:40〜14:50:研究発表

  犬飼未菜(愛知教育大学大学院):「中学校社会科におけるGoogle Earthを使用した地理教育」

  遠藤悠(愛知教育大学大学院):「伊勢湾岸臨海地帯の自然災害の特性と防災図ー豊川下流左岸低地の地形分類によるハザードマップの作成ー」

 

 15:00〜:講演 

  講師 愛知教育大学名誉教授 阿部和俊 先生  演題 「人に人生、都市に都市生ーわたしはこうやって研究してきたー」

地理学専修 卒論テーマ発表が終わりました

 5月9日(木)10:00-15:30まで、4年生の卒論テーマ発表が行われました。

 今年のテーマは以下のようになっています。

 

農業生産法人と後継者問題

鹿児島県における芋焼酎について

伊勢茶について

ファーマーズマーケットの与える影響と今後の課題

石川県加賀市における梨栽培の産地形成

愛知県『一色うなぎ』の地域登録商標の影響


三重県におけるコンビニエンスストアの立地展開

岡山県真庭市における市町村合併後の地域の現状

長久手市の都市開発―愛地球博と関連付けて―

名古屋市周辺地下街の盛衰と実態

伝統的祭礼による地域活性化の現状と課題

企業城下町について


小学校社会科における交通事故の教材化

技能育成を組み込んだ地誌学習

シミュレーション教材の開発と実践

中学校社会科における地理的分野と歴史的分野の融合授業の開発と検討―アフリカの地誌学習を例として―

中学校地理におけるESDの授業実践写真を使った授業の教育的効果について

 

愛知県一宮市の合併前後の変化

愛知県の酒造業について

 

 4年生はこの後、教育実習、教員採用試験へと挑み、それらが終わったら再び卒論に取り組むことになります。

 

 

 

阿部和俊先生退官祝賀会が無事終わりました

 201332日、名古屋マリオットアソシアホテルで、地域社会システム講座の阿部和俊先生の退官祝賀会が行われました。先生は1976年の赴任以来37年間の永きにわたり、本学において学術研究、管理運営そして教員養成に努められました。

 学術研究においては、都市地理学なかでも経済的中枢管理機能を指標とした都市体系研究に先鞭をつけ、日本都市学会賞、日本地理学会賞(優秀賞)を受賞され、さまざまな分野において高い評価を得た貴重な業績をあげられました。

  本学の管理運営では、地理学教室において教室主任、各種委員等を務め、 2008 年 4月学長補佐(人文社会科学系学系長)2010 年 4 月附属高等学校長兼学長補佐に就任して、大学に多大な貢献をされました。

教員養成においては、本学地理学教室のスタッフとして学生の教育指導に情熱を注ぎ、多くの初等・中等教員を輩出しました。

 祝賀会では約100名の参加者があり、藤田佳久氏(愛知大学名誉教授)、寺本潔氏(玉川大学教授)、北川博史氏(岡山大学教授)、赤堀昌代氏(1983年卒)、加藤文昭氏(1978年卒)からご祝辞を頂戴したのをはじめ、なつかしい写真の上映会、記念品や花束の贈呈などがあり、とても楽しい会となりました。最後に、先生のお人柄がにじみ出た話をうかがった後、阿部先生の今後の御健康とご活躍を祈念し、お開きとなりました。